episode-16
ハノイの深夜。財神タンタイ様にご挨拶。
早くいい夢を見せてね。
今回は5Sの「自分たちで決めたルールを守る」の話です。 はじめてハノイを訪ねたとき、「ベトナムも日本も同じだ。同じ東アジアの文明・文化圏にある」このように思ったことがあります。それはイラストの祭壇です。ホテルにも、レストランにも、お土産店にもカフェにもどこにでもあります。
毎日お線香をあげる。燃えた線香は丸くなって小さくなる。毎日、線香をあげるので線香の燃え残りが、緻密になる。重なり合って少しずつ大きくなる。
丸くなったかたまりが、崩れないように注意しながら眺めるのを楽しみにしている。
日本にも実は同じような意味合いで「神棚」という祭壇があります。イラストのような作りですが、様々なタイプがあります。
ベトナムと同じように、水やお神酒をささげ、蝋燭に火をともし、手を合わせて祈ります。ベトナムと日本の距離は 4000kmも離れています。これだけ離れているのに、同じような文明や文化を共有している。
ちょっとした感動とおどろきで、グーグル検索をし、ハノイのホテルでの初日。ベトナムに強い親近感をいだいたことを、今でも忘れません。
日本の神棚は、とてもシンプル。ベトナムの祭壇との違いをブログにしてベトナムと日本の文化の違いを説明できたらと思うが、筆力がない。残念。
日本には「三日坊主」という諺があります。あること決めても三日もたたない間にやめてしまう。長続きしない。ありがとうカフェでも同じことはいえます。メンバーはいつも同じです。それほどたくさんの人がいるわけではありません。
整理、整頓、清潔、清掃。カフェでの仕事の基本はいつもおなじです。
昨日やったから…。午前中やったから…。今日は忙しかったから…と様々な理由をつけて、5Sを実行しなくなってしまいます。メンバーのだれが悪いわけではありません。毎日毎日おなじメンバーでおなじことを繰り返していると「今度でいいや」となってしまうのが組織というものです。怖いのは、そんな空気がカフェの中に充満してしまうことです。
「おもてなしの心」や「一期一会」といった気持や心がどこかに消えてしまい緊張感がなくなってしまいます。
「自分たちで決めたルールを守る」このことをどれだけ徹底できるかが、お店の行く末をきめてしまいます。日日に新た。ありがとうカフェでは、ポスターを使い、スタッフが身につけなければならない行動や考え方を出勤のたびに読み上げてもらっています。
大学生の皆さんですから3回もやればポスターの意味や内容はおおよそ理解しています。しかし、必ずポスターを使って訓練を行っています。勤務歴が長い人は、50 回、100 回と同じポスターを読み上げています。
一人が先生役になり、ペアで訓練をしてもらっている。はじめは、お互い照れくさいのか、もじもじしたり、大きな声が出なかった。いまでは、自分たちのものにしてくれている。
「どうしておなじポスターで、何度も何度も続けるんですか。」こんな質問があると、とてもうれしいのですが、ベトナム語を話せない日本人に質問はできません。またか、といった顔で取り組んでいます。でも、ふてくされた顔は一切しません。そこがベトナム女子の可愛いところです。
理解できることと行動できることは違う。組織にとって必要なことは必ず毎日やる。習慣化ができる。
こうしたことが商売繁盛の秘訣の秘訣といえないこともありません。
ハノイのアルバイトのみなさん。一日二回のトイレ掃除は、日本の千年社でも一日も欠かさずやってます。
ポスターを読み上げるのは、「今日もよろしくね!」「今日もやってね!」のお願いのようなものです。
毎日、ベトナムの皆さんが祭壇に祈ったり、日本人が神棚に手を合わせるのと同じです。昨日、お店が無事であったことを感謝するとともに、今日もたくさんのお客様にご来店頂きたいと願いながら実行する。
ところで、ありがとうカフェの祭壇はとても小さいタイプです。
お客様がいなくなった午後10時すぎ、お店の電気を消し暗くします。線香に火をともします。とてもいい匂いがします。そして、好きなJAZZのスタンダードをかけます。15分もしたらとてもリラックスし、とても素直な自分がいます。祭壇を見ると祭壇の奥に3人の神様がいます。真ん中の神は財神タンタイ。「タンちゃん。今夜もよろしくね。」と言って、寝室に向かう。自分の夢に財神タンタイ様がでてきて、話をしてみたいと切望をしてもう2年になる。なかなか夢にできてくれない。
お会いし、ぜひ、面談させてください。